こんにちは。orinekaです。
「ハンドソープは殺菌効果があったほうが安心」
「「殺菌」じゃないハンドソープだと手を洗っても不安が残る」
「子どもには殺菌と書かれたハンドソープでしっかり手を洗わせている」
こういった方に向けて、「実は殺菌効果がなくても良い、むしろないほうが良いんですよ?」とお伝えする記事を書いていこうと思います。アメリカの公的機関の情報と4年以上石けんで手を洗ってきた経験をもとに
- 薬用石けんにこだわらなくていい理由
- 菌をやっつけるよりも大切なこと
- よくある誤解
の順で抵抗感なく薬用石けんから普通の石けんに移行できるように書いているので、ぜひ最後まで読んで納得した状態で石けんを使い始めてもらえればと思います。
この記事でできること
- 殺菌効果がない普通の石けんのほうがトータルで見て優れていることが分かる
- 石けんについてのよくある誤解を解くことができる
ハンドソープは「殺菌」じゃなくてもいい理由


殺菌じゃなくていい根拠ってあるの?
もし「twitterで見聞きしただけ」だったり「どこからともなく聞いただけ」だったりしたらデマの可能性もあるので、一度疑ってみることは大切ですね。
今回の情報はFDA(米食品医薬品局)というアメリカの公的機関が2016年に出しているものです。私が初めてこの情報に触れたのは日本語に翻訳された記事(この後で引用している記事)ですが、FDAの公式サイトの英文を読んで確認し(英語は比較的得意です)、さらにグーグル翻訳にもかけて解釈が間違っていないことを確認しているので信頼性は高いと思います。
FDAは2013年12月、殺菌剤が含まれるせっけんの規制案を発表した。これは、トリクロサンやトリクロカルバンなどの殺菌剤を含むせっけんを長期間使うと、抗菌薬が効かない菌(耐性菌)が発生したり、甲状腺ホルモンや生殖ホルモンに悪影響を及ぼしたりする可能性があるとの研究報告を受けたものだ。(中略)
これらの製品が通常のせっけんに比べ感染症の予防効果を発揮することを証明できなかったという。
引用元:Medical Tribune 「抗菌ハンドソープ、販売禁止へ―米国」
この記事の要点を整理すると次のようになります。
- 殺菌剤があることで普通の石けんより感染症を予防できるわけではない(証拠が足りない)
- 殺菌剤入りのハンドソープを使い続けると薬剤耐性菌が生まれる可能性がある

薬剤耐性菌って何?
薬剤耐性菌とは薬でも死なない性質を持った、とても強い菌のことです。菌も生き物ですから、薬で仲間がやられてしまうと「次はやられないぞ!」と対抗し、今までの薬が効かない菌に進化するんです。薬を使っても倒せないので、感染が広がってしまうなど大変なことになってしまいます。

薬用の石けんって効果も今一つで副作用も生み出しちゃうし、なくてもいいんじゃない?
医療現場など無菌状態にこだわらなければならない場所はわかりませんが、少なくとも一般家庭には薬用せっけんは不要ではないかと私は思います。
それでも石けんでは不安な方へ


でも、今までずっと薬用石けんを使ってきたし、急に変えるのは不安…
いくら薬用石けんの効果は根拠が足りないといっても、今まで得てきた安心感をなくしてしまうのは不安ですよね? そんな方にお伝えしたいのは、
- 菌はやっつけることより洗い流すことが大切
という事実です。
博物館や図書館などの公共施設でノロウイルスの感染予防ポスターを見ることがあります。読んでみると「石けんでノロウイルスを無効化することはできないけれども、しっかり手を洗って菌を落とせば感染対策になる」というものでした。
菌をやっつけられるに越したことはないかもしれませんが、たとえそれができなくても手から離れてしまえば感染することはありません。やっつけるために薬剤耐性菌が生まれてしまうといった負の作用も考えれば、一般家庭では時間をかけてしっかり手を洗い、菌を手の表面から引きはがすだけで十分と言えるでしょう。
よくある勘違い
ここまで「家庭では普通の石けんで十分」ということをお伝えしてきましたが、ここからは石けんについてよくある勘違いについて解説していきます。石けんに関する情報は意外と少なく、皆さんの中にも間違ったイメージや知識を持ってしまっている方がいるかもしれません。ここでその誤解を解いていただければと思います。
石けんは固形のもの

私が石けんを使い始める前までは、石けんというと「白くて四角い形の固形石けん」しか思い浮かびませんでした。小学生のときに学校の蛇口の近くにネットに入った状態で置かれており、みんなが使うためかヌルヌルしていて「使いたくないなぁ」と思っていたのを思い出します(笑)。学生時代の固定観念から石けんに悪いイメージをお持ちの方も意外とおられるのではないでしょうか?
このブログを読んでいただいている方であれば度々液体ハンドソープの写真があるのでお分かりかと思いますが、石けんには液体や粉末状のものもあります。石けんのハンドソープも売っており、皆さんがよく目にする普通のハンドソープと見た目も使い方もまったく同じです。
香りがない

石けんでは香りが楽しめないというのも誤解です。確かに無添加石けんには香りがついておらずほぼ無臭と言えますが、香りがついた液体ハンドソープも販売されています。私が使ったことがあるものだと太陽油脂というメーカーのハンドソープですね。
使い心地が変わってしまう

石けんは普通のハンドソープとは別物だから、使い心地が違うんじゃないか?
こう思う方もいらっしゃるかもしれませんね。いくら良い商品だからといって今までと使った後の感覚がまるっきり違うのではちょっと買いづらいでしょう。
その点に関しては、4年以上にわたって使ってきた経験から「差はない」と言えます。洗うときの泡立ちも変わりませんし、洗い終わった後のサッパリ感も同じです。もちろんポンプを押したら泡で出てくるのも同じですので心配はいりません。
数ある石けんの使いどころ(洗濯や掃除など)の中でも一番簡単に導入できるのが手洗いかなと思っているくらいですよ。
まとめ
この記事で少しでも石けんに関する知識を増やすことができましたでしょうか?
記事のポイントをまとめますと、
- 薬用石けんの効果の証明ははっきりとはされておらず、薬剤耐性菌を生み出すなどの負の作用もある
- 菌はやっつけるよりも洗い流すことが大切で、特に一般家庭では洗い流すだけで十分感染対策になる
- 石けんハンドソープは普通のハンドソープと同じように使える
このようになります。皆さんのハンドソープ選びの参考になれば幸いです。
最後までご覧いただきありがとうございました。